三期生たちの日本語学習 第二話

彼らが入国してから会社へ配属されるまでの間に、初期三ヶ月間の指導計画を作ってあります。
学習項目を、文字の理解力、単語、聴解力、会話、読解力、日本語レベルに分けて、それぞれの目標と学習内容を書きました。
日本語指導要領

文法の教科書は使わず、単語の教科書を三ヶ月間使います。この三ヶ月で、まずは単語数を増やすことを目標にします。

子どもが親の言葉を真似して覚えていくイメージで教えてみることにしたわけです。母音の発音練習は、授業の最初に毎日行います。これにより日々発音が良くなっていくのが確認できました。耳で聞いて自分で発音しますから、私たちの発音にとても近くなっていきます。

私たちの日本語学習は、学校での学習と違い、学習プログラムを完了することが目的ではなく、二人とも理解できることが重要です。
一人だけ理解出来ました、では意味が無いわけですね。

まず、「絵で覚える日本語単語」の教科書を使います。
絵を見ながら発音していきます。
繰り返し繰り返し発音していきます。

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その時に、最初は私の発音の後に二人が一緒に発音します。その後、一人ずつ発音するときに、必ずソンから発音するようにしてみました。
また、昼のお弁当に何を食べたか毎日聞くのですが、その時もソンから聞くようにします。このようにして、少しでも彼が前に出るように仕向けてみました。

ただ、不安なことも出てきています。チョウが食後昼休みの時、昼寝をするのでソンも一緒に昼寝をするらしいとわかりました。
私は、とにかく言葉を理解できるようになるまで、お昼寝をしたらダメです。毎日会社の人と話をしてください、と毎日話しますが、どうにも言うことを聞きません。最初は、先輩の真似をして寝ているのだと思っていました。しかし、どうもそれは違っていたようです。というのも言葉の理解度も良くなり、結構話せるようになっている今では昼寝をしなくなりましたから。。。

それと、二人とも同じように字が汚いのです。
「し」ですか?「い」ですか??全然わかりません。
そこで、平仮名50音とカタカナ50音の書き方練習帳を作って、毎日宿題として二ページずつ書いてくるように話しました。

このようにして一期生、二期生とはまるで違う日本語学習が始まりました。