社内で日本語教育システムを構築しましょう

二期生たちとの経験によって、三期生から日本語教育の方法を根本から考え直す事が出来ました。
彼らは、選考試験合格から三ヶ月間、中国の日本語教育センターで勉強をします。しかし、彼らに入国許可が降りるのは、だいたい平均で6ヶ月かかります。ということは、三ヶ月間何もしない時期があるわけです。
初めて外国語を勉強して、三ヶ月間何もしないと覚えているわけがないのですから、まず、空白期間を少なくすることを考えました。

幸い当社の大連事務所にはジャンがいます。
そこで、社内の教科書を作って、センター卒業後も大連事務所で勉強を続けてもらうことにしました。
あなた任せの方法から自社独自でシステムを構築するように変更したわけです。

現地の日本語教育センターを何度か見学したり、卒業前に彼らに会って少し話をしてわかったことは、ほとんどが言葉の丸暗記なのかな?ということです。
卒業前に彼らに会って直接話すと、緊張のせいもあるでしょうが、だいたいが挨拶や決まっている言葉については即応出来ます。
しかし、質問の答えに更に質問を重ねると、やはり対応できない感じがしました。
あくまでも卒業するための試験の勉強という感じです。

そこで、独自の教科書を作ることにしました。
作る教科書は、会社で使う工具の名前、日本語単語、文法の三種類です。
まず、会社で使う工具は、冊子にしたものと写真をカードにしたものの二種類を作ります。
冊子には、写真と工具の名前が日本語で書いてあります。
そして、カードの方は表に写真があり裏側には日本語と中国語が書いてあります。
冊子は自分で勉強をして、カードは授業で使うようにしました。

単語の本には、日常よく使う言葉や生活に必要な言葉や単語を選んで、絵と日本語を平仮名で書いてあります。中国語は併記していません。
中国語を日本語に変換して理解するのではなく、絵を見てこの単語はこの意味です、と理解できるように考えました。
文法の本は、発音練習、中国語と日本語の違いや名詞、動詞、い形容詞、な形容詞、格助詞を中心に作りました。
まだ本当に初級ですから、複雑な文法よりとにかく最低限必要な知識だけと考えて作ってみました。また、文法の本に関しては、ジャンと上海の総経理に協力してもらって、右ページが日本語、左のページが中国語で表記するようにしました。
文法の説明はどうしても難しい言葉を使うことになりますから、彼らが翻訳をしてくれたおかげで、初心者に優しい文法の本になったと思っています。

このようにして日本語学習を開始した三期生のお話はもう少し後でまた書きます。