ナイショで電脳(パソコン)を買いました 第二話

黙って行動していたことに軽くショックを受けますが、もう買ってしまったので、まずはしょうがないとは思います。
但し、内緒で買ったというのが危険です。
ここで放置してしまうと、いろいろな取り決めがズルズルとなし崩しになる可能性が高いですよ。

しかも、リュウの部屋にあったとはいえ、彼が購入したとは限りません。
ちょっと対応が難しいな~と思いつつ会社に帰りました。

実は、何かあるな、という予感はしていたのです。この頃、週末会社に来ますか?とは聞かない日が多くなっていました。

大連事務所の社員が来た時、一緒に日本橋の電気街に行ったこともありました。
私と話をする時、盛んにパソコンのスペックを聞いたこともありました。
その都度、日本で買ったパソコンは、OSが日本語ですから、君たちには扱いにくいですよ。一年待ちなさい。冬くらいに買えば、価格も下がってきているでしょうし、OSを中国語に変更してあげます、と釘を差していたんですけどねぇ

とりあえず、直ぐに叱るのではなく、自分から話させようと思いました。理由は、これからもっといろいろな問題が起こると予想されます。その時に、隠したり知らないふりをするのではなく、怒られることを覚悟で自分で申告する、そんな子たちになって欲しかったのです。仕事が終わって、事務所に来た時、今日は君たちの定期監査があったでしょ?君たちの部屋に行きましたよ。綺麗に掃除をしていましたね。とだけ言いました。
ここでリュウの表情が変わります。
ジャンの方は、ニコニコしていましたので、リュウが買ったということでしょうね。